「なぜ世界標準となる日本発のデバイスが開発できないのか?」

今日もりんかい線で東京ビックサイトの医療機器展へ向った。きのうはギリギリだったので10分早め余裕の到着だった。講演の内容は前半は医療イノベーション総論、後半は実際の医療機器開発から得られた知見詳細であった。


【国立循環器病研究センター 妙中氏の話】
5月23日「独立行政法人日本医療研究開発機構法案」が成立した。これは医療開発の司令塔であり本年度予算1215億円、省庁は連携しオールジャパンで医療機器開発をする。医工連携、中小ベンチャー活性化を行う。これまではやもすると医者への試作品止まりであったが事業として実践する。失敗例をふまえコンセプトを明確にしアドバイザーを活用して事業を成功させて欲しい。健康管理を進めることは高齢者の医療費を下げることでもある。


【東京慈恵医大 村山氏の話】
脳神経外科は医療機器の開発に支えられている。そのほとんどが外国製である。日本では行政が推進しようとしているが成功事例は皆無に等しい。村山氏の実用化は4件、開発中は3件。最初に取り組んだマトリックスコイルの事業化を紹介。従来の脳動脈瘤治療コイルは再発してしまう欠点がありこれを克服するため吸収糸と組み合わせることを考えた。これは大発明ではなく組み合わせであり、いわばシングルヒットのようなもの。特許をとり治験を行い2002年FDA承認を得て世界展開している。米国企業と組んで進めた。

さてなぜ世界標準となる日本発のデバイスが開発できないのか?日本は製品化へのロードマップを描けていない。また明確なマイルストーン設定と検証ができていない。全体推進マネージャーがいない。市場規模、採算、競合、コスト回収を評価し判断する。医療と工学では思考回路が違い言語が違う。ゆえにそれぞれの現場に人を連れ出す必要がある。またよくある誤解は工学部の先生はものをつくる専門家ではない。大手企業もものづくりしているとは限らずアセンブルしているにすぎない。実際は中小企業が担っている。米国ベンチャー低迷の今こそ日本のチャンス、プロジェクトチームたちあげを提案する。


【感想】 村山氏は普通に話していたがよく聞くと行政や大企業をばっさり。聞いていて元気のでる講演で明るい気持ちになった。


午後は展示会をまわった。3Dプリンターが盛況であった。樹脂ワイアーを溶かすタイプが数十万円、インクジェット方式が数百万円であった。
混雑した通路では景品を渡され、と同時に私のバーコードをスキャンするキャンギャルがいるのであった。少々疲れるが進化を肌で感じるには体力勝負なのであった。


参考 展示会
http://www.japan-mfg.jp/RXJP/RXJP_Japan-MFG/documents/2014/DMS_sokuho.pdf