「物事を知る事は時にはつらいことである」

高校時代、現代国語の恩師は前川先生だった。先生の話で覚えているのは「物事を知る事は時にはつらいことである」「小説より現実がずっと生々しい」の二つだ。
当時は意味がわからなかったが数十年してわかってきた。例えば911や対米従属など政治経済の深層を知る事はつらいことである。しかし知ったかぎり戻る事はできないので生々しくても次へ進むしかない。

高校3年の時であったか級友2人と前川先生の授業をさぼって裏山に行った事があった。すぐ発覚して先生から昼休み弁当を持って学校裏の河原に来て下さいとのこと。叱られると覚悟して行った。
弁当を食べながら先生はさぼった事にはひとことも触れなかった。当時独身だった先生が「女性とつきあい知らない世界を知った方が良いですね」などと言っていたのを懐かしく思い出す。