超定年と「自分でコントロールする人生」

(昨日の続き)石黒氏は「自分でコントロールする人生」めざし日本もアメリカのようにマインドセットしていくだろう、と述べていましたが、私の実感では日本が国を挙げて敷いている集団主義マインドセットを解かないと「自分でコントロールする人生」は始まらない気がします。

実例です。私は2009年3月末に会社を退職、退路を断って準備に入りました。マインドは会社員や公務員である限りめぐってくる定年退職問題を解決する。自分で定年を早期設定し”超定年する”(定年から無縁となる)でした。従って会社創業のみならず、ハッピーリタイア、海外ロングステイなど広く検討したのです。
しかし”超定年”なんてかっこいいことを言っていますが、外から見ると単に定年を早くしただけ、毎日家に居て時々再就職支援会社や図書館に行くだけで失業者そのもの、娘からはニートと呼ばれるありさま、途方にくれていました。退職して戦友や家族を失ったように感じていました。
さらに驚いたのは退職してすぐ上海やボルネオに飛んだのですが、あれほど好きだった海外旅行が何だか憂鬱だったのです。出発便を待つ成田空港では沈んでいました。従来ですと貴重な休みを使っての海外旅行で日ごろのストレスから解放されてウキウキしているわけですが、この時は毎日が日曜日でストレスがなくなったことがストレスでしたから解放されようがないのですね。

その後数ヶ月かかってわかってきた事は「課題は自分のマインドにある。自分は保育園〜会社員とずっと集団の中で過ごしており知らない間に集団主義ともいえる行動パターンを持ってしまった。加えて大量生産マインドも持ってしまった。いわば自分のマインドは飼い犬状態にあり野性に還るには原始の感性をとりもどさなければいけない」のです。昔は農業や小売業など自営の生活をしている人が多かったが急速に社会が変わり農協や公務員や会社員といった組織人ばかりとなった。これに伴い教育も組織人を前提としているので野生の感性は忘れられ教えられてきていない。つまり独立自営は未経験で未知なこと。だから開拓者魂がいるのです。

とにかくこのままではいけないから”マイクロビジネスの起業”という旗印をかかげ再就職支援会社のサポートを受けながら準備を続けました。弁理士会館での創業セミナーで聞いたひとこと「地道な準備を続けていると突然パッと開けてくる時がくる」を信じてやることは山ほどありました。ハッピーリタイア、海外ロングステイの検討についてはあとで触れたいと思います。