平泉 世界遺産登録 決定

パリで開かれているユネスコ世界遺産委員会は日本時間26日午前1時「平泉文化遺産」の登録を決定した。東日本大震災の被災地に希望を与えてくれるもので良かったと思う。

平泉で有名なのは金色堂(1951年国宝)だ。
マルコ・ポーロはヨーロッパに日本のことを「黄金の国ジパング」(Zipangu)として紹介した。著書『東方見聞録』によると「ジパングは独立した島国で莫大な金を産出し宮殿や民家は黄金でできている」との記述がある。ここでの「宮殿や民家は黄金でできている」というのは中尊寺金色堂についての話を聞いたものといわれている。

実際の金色堂は1辺が5.5メートルの小型仏堂であり、民家が黄金でできている訳ではなかった。しかしこれをあまねく「黄金の国」と誤解なのか大げさに伝わったことが日本伝説となったのだろう。伝説とはそのようなものだ。


平泉は12世紀奥州藤原氏が仏教の浄土思想に基づいて独自の黄金文化を築いた拠点と言われている。黄金に注目するのではなく浄土思想を現代に継承することこそが重要だと考える。例えが妥当かわからないが奈良のような悠久の都とするのが良い。訪れた外国人が「日本人は浄土思想を持っている」と感じてくれたら世界遺産となった意味がある。



    中尊寺金色堂

注:よく写真で紹介される金色堂は1965年に金色堂を保護するため作られた鉄筋コンクリート造の覆堂(おおいどう、さやどう)。金色堂は覆堂の中のガラスケースに納められて大切に保護されている。